発達障害に気づかない大人たち<職場編>
読んだ本について個人的な感想を書こうとおもいます。
今回の本:発達障害に気づかない大人たち<職場編>
目次
第一章 発達障害とは何か
第二章 発達障害者が仕事をうまくこなすには
第三章 職場で発達障害者を活かすには
第四章 他人とは違うからこそできること
第五章 発達障害の診断と治療法
(副題は省いています)
なぜこの本を読んだかというと、自分自身がストラテラというADHDの薬を飲む当事者だからです。生きづらさ、社会適応の難しさからこの本を手にとりました。
ざっくりとした所感
著者がADHD当事者(不注意優勢)ということもあり発達当事者、特にADHDにとってはとっつきやすい本になっているとおもいます。ページの途中に入ってくる「星野式ADHDの仕事術」のコラムが分かる分かる!と共感することが多く、発達障害特有の悩みゆえの孤独感から癒されました。
たとえば星野式ADHDの仕事術⑥にて、著者は「言葉でパッパッと言われると、右の耳から左の耳へスーッと抜けてしまうことがあります」と言っていて、不注意型の人は誰しも経験したことが多いのではないでしょうか。
わたしがこの悩みを健常の方に伝えても「そんなこと自分もあるよ」と軽く流されてしまう。しかし仕事でも雑談でもどこでも起きるものだから日常に確実に悪影響を及ぼしている。いくら沢山寝てばっちりの体調で集中しようとしても「できない」。雑談なら良いけれど仕事だと深刻さの度合いが違う。それがわかってもらえない孤独感と、できない自分への劣等感。
この悩みについては、著者はメモはとるけれど念のため文字でもらえるようにしていると言っています。もちろんこのような配慮がしてもらえる職場ばかりではないと思います。なので、ADHDや発達障害は自分がどうしても苦手としていることを、どうやって対策していくか(たとえば配慮してもらえる環境にうつる、聞いたことは絶対に確認するなど)が大事だと思います。
この本は全体的に発達障害者が困りそうなことを羅列し、その対処法を書いているイメージです。
以上所感おわり
もう少し具体的に書いていくと
第一章 発達障害とは何か
では、発達障害の説明や診断チェックリスト。患者さんの発達障害の症状の具体例など。ここで注目したのは患者さんたちが「自信喪失」をしていること。なぜ自分はほかのひとのようにできないのか?という悲痛な声がつづられています。そして発達障害が見過ごされたまま、大人になることが少なくないことが書かれています。
第二章 発達障害者が仕事をうまくこなすには
ここでは題のとおりどうしたら仕事がこなせるか?について書かれています。
仕事をうまくこなすためには「見直すべき3つのR」というのがあるようです。
①優先順位の見直し(Restructuring)
②対人関係の見直し(Renegotiating)
③自己イメージの見直し(Redefining)
発達障害の人々はこれらが苦手であり、それにより支障をきたしている。
これらについての対策方法が書かれています。
そして
第三章 職場で発達障害者を活かすには
第四章 他人とは違うからこそできること
第五章 発達障害の診断と治療法
・・・といった具合に、続きます。発達障害の困り感についてけっこう具体的に書いている印象です。なので全部は参考にしなくても何かしら得られるものがあるのではないでしょうか。
ただ星野先生自身発達であり、自ら医師なのもありいろいろなパターンの困り感について知っていると思うのですが、もしかしたら「この対策は自分にはちょっと合わない」というのもあるかもしれません。
発達といっても皆が皆、まったく同じ症状で同じ対策で良くなるというわけではないと思うので、個人差がやっぱりあるのではないかと思います。
WAISでもIQにばらつきがあるように、それぞれ苦手特性がどう色濃くでているのか、また個人の性格的にどういったものが合うのかなど微妙に違いはあると思います。
なのでこの本は生きづらさを乗り越えるためのヒント本として、役に立つのではないと思います。
短いですが今回はこのへんで終わります。
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